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大木康子さんの瞳

「貴女のこと、○○さんから
よく聞いていたわよ」

そう話しかけてくださったのは、
4年前の『パリ祭』での稽古場でした。

歌い手さんたちが、こぞって憧れていた
大木康子さんに、そんな風に声をかけていただいて、
中学生みたいに、紅くなった気がした夏の日の午後でした。


その向こうに宇宙が広がっているような、
深くて大きな瞳で見つめられると、
ほとんどお話したことのない私でさえ、
「何かお役に立てることないでしょうか…」
と思わずにいられなくなるような…
そんな魅力を持っている方でした。


   ☆☆☆


2月2日。

ご逝去。

あまりにも早過ぎた、
淋しいお報せ。


困ったようなはにかんだ笑顔の大木さんに
今年の『パリ祭』で、お目にかかれないことが、
今はまだ、ピンときません。

稽古場の一番前の席に、
大木さんの後姿を、探してしまいそうです。


心から、ご冥福を
お祈り申し上げます。

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2009年02月07日 12:47に投稿されたエントリーのページです。

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